不動産投資利回りの計算方法についてわかりやすく解説します
2022.01.17
はじめに
不動産投資は投資の資本として他人資本(銀行ローンなど)と自己資金により賄い、他人支出(家賃収入)により返済・資産形成を行う仕組みである。
その不動産投資の収益性を把握する方法として利回りという考え方がある。
利回りとは投資した金額に対して年間いくらのリターンがあるかを測る指標になっており、この確認が投資を成功させるために重要になっている。
今回は不動産投資の利回りについて解説していく。
不動産投資における利回りとは
不動産投資における利回りとは、物件価格に対してどのくらいの利益が出るかの割合を表したものである。
この利回りには大きく分けて2種類ある。
それが表面利回りと実質利回りと呼ばれるものだ。
表面利回り
表面利回りとは、物件価格に対して年間何%の収入があるかを示した数値である。
例えば1億円の物件で表面利回り10%の物件であれば年間1000万円の収入を得ることが出来るという事だ。
ここで注意していただきたい点が2点ある。
1点目は表面利回りの計算では必要経費が引かれていないので本当の利益が分からないことである。
不動産経営をする場合、家賃から固定資産税・管理費用・修繕費などの必要経費を除外しなければ利益が分からない。
先の例でいくと1000万円の年間収入があるがここから必要経費を引いて800万円ほどが年間の利益となるのである。
2点目は取得時にかかる諸費用は含まれていないということだ。
不動産を取得する際は仲介手数料・不動産取得税・登録免許税・印紙税など各種諸費用が初めにかかる。したがって利回り10%の物件であっても10年で単純に元を取れるかというとそうではない点に注意しなければならない。
実質利回り
実質利回りとは表面利回りとは違い、諸経費を除いた利益が物件価格に対して何%の利益があるのかを表したものである。
例えば1億円の物件に対して年間収入1000万円、必要経費200万円の場合では実質利回りは8%となる。
参考にする指標
ここまで表面利回りと実質利回りについて説明してきた。
不動産投資において重要なのはこの内実質利回りなのである。
不動産業者が作る物件概要書には表面利回りしか記載されていないことがほとんどである。
しかし実際に検討する際は表面利回りが高い物件が単純に収益性が良いというわけではない。
下の表をご覧いただきたい。
左のアパートが表面利回り9%に対してマンションタイプは10%になっている。
しかし経費率に違いがでているのである。一般的にマンションタイプはエレベーターなどの共用設備がアパートタイプよりも充実しているために追加で固定費としてメンテナンス費用がかかることが多い。そのため表面利回りは良いのに実質利回りでみれば逆転する現象が生じやすいのである。投資家が重要視しなければならないのは実際の利益なので実質利回りを計算して投資判断をする必要がある。
まとめ
今回は不動産投資利回りについて説明した。
物件概要を確認する際は表面利回りだけでなく実質利回りも計算するようにすると良いだろう。ここに金融機関からの借入条件などをあてはめて実際の利益がいくらになるかをシュミレーションすることが必要である。
投資においてリターンを正確に測ることは重要な指標であるため、この計算を参考にしていただきたい。
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