富裕層が不動産投資をする理由とは?4つの目的を解説いたします

2021.08.31

はじめに

投資には様々な種類がある。
株式、債券、投資信託、太陽光、金、仮想通貨など挙げればきりがないが、今回はその中でも不動産投資について焦点を当てた内容となっている。
数多くの富裕層が投資先として不動産を選ぶ理由とは?
今回は目的別に分けて詳しく説明していく。

 

そもそも不動産投資とは?

不動産投資とは土地や建物などの不動産に対する投資で、不動産を購入し他人に貸すことで毎月の家賃収入を得ることを指す。
投資の資本として他人資本(銀行ローンなど)と自己資金により賄い、他人支出(家賃収入)により返済・資産形成を行う仕組みである。
以下のイラストようなイメージである。

他人資本と他人支出のみで資産形成を行うのではなく、初めに自己資本を入れることにより、利息の付かない現金が定期収入を生み出す資産に転換することも可能である。

個人で行う投資において銀行からの借り入れが可能という点は不動産投資の大きな特徴の1つといえる

 

不動産投資目的4点

ではなぜこの不動産という投資先を富裕層が選択するのか。
目的は大きく4点に分かれる。
利益の獲得、レバレッジ効果による投資効率の上昇、インフレリスクのヘッジ、タックスコントロールである。

 

利益の獲得

1点目が利益の獲得である。不動産投資に対する利益にはキャピタルゲインとインカムゲインの獲得という2つの側面が存在する。
まずキャピタルゲインとは値上がり益のことである。
これは購入した時よりも高い金額で売却した時の差益のことを指す。
例えば5000万円で購入した不動産を5年後に5500万円で売却した場合は単純計算で500万円の売却益を生み出していることになるが、この差益のことをキャピタルゲインという。

次にインカムゲインについてだが、これは毎月の定期収入を指す。
収入から必要経費、銀行への返済後のお金が毎月の収入となって手元に残ることになる。
この定期収入を得ながら銀行の借入返済を進めていくことによって資産形成を進めていくことが可能である。
利益に関してはこの2つの側面をバランスよく考慮しながら投資対象を選定していく富裕層が多いのが実情である。

 

レバレッジ効果による投資効率の上昇

2点目がレバレッジ効果による投資効率の上昇である。
レバレッジとは他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めることを指す。
例えば2000万円の自己資金を使って年間利回り4%の商品に投資したとしよう。
その場合年間リターンは80万円/年となる。

対して同じ2000万円の自己資金と8000万円の借り入れを使って1億円の年間利回り4%の不動産に投資したとしよう。この場合は400万円/年と実に5倍の毎年のリターンを同じ自己資金の拠出で受けることが出来る計算になる。これが自己資本に対する利益率を高めるという事である。
このレバレッジ効果を駆使しながら投資をするというのは誰もが出来るわけではなく、銀行からの借り入れが可能な与信のしっかりしている富裕層だからこそ実践できる投資手法といえる。

 

インフレリスクのヘッジ

3点目はインフレリスクのヘッジである。
インフレとは物価が上がることによりお金の価値が下がることを指す。
このインフレに対しては不動産に投資していることが有効であると言える。
まずインフレになるということは物価が上昇しているので不動産そのものの価値も上昇すると言える。次に連動して家賃も上昇することが見込まれる。最後に銀行からの借り入れがある場合は借入金の価値も相対的に目減りしているという事が出来る。
預貯金や債券などの金融資産はインフレには弱いので、このリスク分散のために不動産へも投資することが目的のうちの一つとなっている。

 

タックスコントロール

最後4点目はタックスコントロール、税務面での目的である。
中でも不動産投資において特に有効とされるのが相続税に対する資産圧縮効果である。
現状の日本の税制では相続税の最高税率が55%と、築き上げた資産の半分以上を収めることになっている。
仕組みとしては次のイラストのイメージである。

1億円の時価の不動産を購入した場合、自用地として使用する場合でも概ね60%の相続税評価額にすることが出来る。その不動産を賃貸用として人に貸すことにより更に多くの評価減を得ることが可能なのである。

 

まとめ

今回は不動産への投資目的ということで4点に焦点を当てて説明した。
不動産投資においては上述の通り様々な目的がありその人に合わせた投資対象を選ぶことが大切である。投資面や税務面を組み合わせた複合的な検討が必要と言えるだろう。
自分にとってどの投資対象が最適か悩まれている方は一度ぜひ当社へ相談してほしい。

中武 洸星

株式会社Wealth Partner

不動産ソリューション担当

早稲田大学商学部卒業後、大和ハウス工業株式会社へ入社。富裕層・地主に賃貸住宅での土地活用ソリューション提案に従事。東急リバブル株式会社にて投資用不動産の売買仲介を経験後、株式会社Wealth Partnerに入社。